New iPod Family 2007

 

2007年09月08日

[2007.09.08] “New iPod Family 2007”

噂どおり、ほんとに噂どおりに新 "iPod" ラインナップが発表された。

個人的には購買欲も失せるデザインと評した "iPod nano" もそのままのイロとカタチで...。

"iPod" に関しては、基本デザインはそのままに容量増加と、カバーフローなど旧機種でもファームウェアアップデートでなんとかなりそうな程度だ。そのままにというものの、表面材質は別にして外形デザインは第3〜4世代のエッジが丸いタイプに逆戻りしてしまった。

"New iMac" との相性を考慮してか表面にはアルミを使っているが、末端の処理は "iMac" ほどシャープではない。 "iMac" を手に持って使う人はいないだろうが、初代のようにポリカでエッジを立てるとかなり鋭い感じがするものだ。

"New iMac" では材質がアルミになったのを機に、折り曲げ加工でエッジを形成しているので手に触れた感じはいくぶんソフトになったが、 "iPod classic" ではちとソフトすぎる様に思う。

なんというか、パッと見がヌルいんだな。甘いといってもいい。アルミを使うんなら多様なカラー展開が考えられるが、従来のラインナップでも "iPod" ではせいぜい白と黒程度で、それほどカラーに関しては積極的ではなかったはずだ。(先のことは判らぬが...。)

ましてや "iPod classic" と命名するんなら、オリジナルカラーであるホワイトが無いのはいかがなものかという気もするし、いっそ第5世代のデザインのまま容量増加とソフトウェアアップデートで "iPod classic" としてくれたほうが良かったように思う。(もちろん、価格面ではより一層のおつとめ品であることがお約束ね。)

その点、第5世代の "iPod with video" はエッジの処理が巧妙であり、デザイン上のシャープさを保ったまま手に持った感じはそれほど違和感はない。以前の "iPod mini" や "iPod nano" のトップおよびボトムエンドのエッジの鋭さに比較すればよくわかる。

3代目 "iPod nano" は、はっきりいってブサイクだ。


背面は先代の "iPod nano" とは異なり、初代と同様に裏面はステンレスポリッシュで職人の技が復活したことには好感が持てるが、全体的なシルエットは白十字のなんたらという洋菓子のように甘い。(名称は失念したが、ローカルな例えですまぬ)

初代および先代のトールボーイタイプと比較するとデザイン上シャープさに欠ける。これは "iPod shuffle" にもいえることだが、今回採用されたパステルカラーもその甘さに影響していると思う。

"(PRODUCT)RED" に至っては、"(PRODUCT)WineRED" である。レッドというのはやっぱりフェラーリレッドのような目に突き刺さるような真っ赤っかがいい。

他のモデルはメタリックなんだから、一つぐらいソリッドなカラーがあってもいいし、その方がかえって目立つしね。ついでにランボルギーニのような真黄色や、しつこいようだが金色もあれば嬉しい。(金といっても、価格の問題もあるからマヂ金ぢゃなくてメッキのテカテカね)

個人的には、先代はけっこう派手で下品なカラーラインナップだったように思うが、今度は上品すぎるというか渋さがたりない。まるで、「奥様向けお買い物軽四カラー」と言えなくもない。春先に発表するならまだわかるが、およそ秋物には見えないうれしそうな色である。

いかなる顧客層をターゲットにしているかがミエ過ぎるのもどうかと思うが、ま、色やデザインは個人の好みであるのでなんともいえないけどね。

そういえば、 "iPod shuffle" のオレンジは結局売れたんだろうか?"iPod shuffle" にはあれぐらいのインパクトのあるカラーの方がお似合いのように思う。私は初期型のシルバーを選択したおかげで、三代目になったいまでも最新型と変わらないというメリットもあるが、もう手に入らないレアモノ的なな魅力がないというデメリットもある。

ネットでは "iPod nano" の液晶画面をワイドスクリーン化したという表記もみかけるが、アスペクト比は4:3(320x240)で  "iPhone" や "iPod touch" の3:2(480x320)と異なりワイドではない。表示サイズは先代 "iPod with video" と同等だが、対角2.5インチではなく2インチの、より高解像度液晶を採用しているので結果的に絵は小さい。が、見にくいかどうかは実機を見て検証しようと思う。(ブサイクだと言ったが、可愛くないとは言ってないからね。)

しかし、今回の目玉は "iPod touch" という追加機種だろう。

簡単に言っちまえば電話抜きの "iPhone" だ。ストレージも容量こそ増加しているが "iPhone" と同様にフラッシュメモリーで、容量は上位モデルで16GB。

しかし、電話機ぢゃないんだから、多少厚みが増してもHDDを搭載して80GB程度は欲しかったと思う。せっかく手間暇かけてDVDから映画を変換しても、16GBでは携行本数は限られるし、大型ディスプレイも音楽だけぢゃもったいない。

ましてや、コイツは無線LAN(Wi-Fi機能)付きで、"Safari" まで搭載しているんだから、データは増える一方になるはずだ。まだ、現物を手にしていないので過度な期待は禁物であるが、自ずと夢が膨らんでしまうのはいたしかたあるまい。

過去一年以上にわたって "iPod with video" を使用した経験から、ひとり寝床で見る映画やドラマは捨てがたい魅力を持っている。しかし、ワイドな映画には4:3(320x240)の "iPod with video" はちとセマイ。

アスペクト比3:2(480x320)のディスプレイをもつ "iPod touch" の魅力は、一般的なネットブラウジングだけでなく、このようなささやかな楽しみにもある。

そのような願望から、 "iPod touch" のモデルラインナップに対する不満は、ストレージ容量に尽きる。当然 "iPod touch" の下位モデル(8GB)の必要性に対しては、非常に疑問が残るわけだ。

今回の "New iPod" 発表会のドサクサにまぎれて "iPhone" の価格改定を発表したらしいが、いきなし200ドルも下げたもんだからあっちこっちでブーイングがおこり、あわてて初期購入ユーザに対しては、「アップルとしては異例のお買い物券」を発行するはめになったようだ。

ブーイングの主たる要因は、値下げ金額の多寡ではなく、発売からたった2ヶ月でという時期にあると思う。

10ヶ月以上の経過であれば、この業界ではあたりまえのことである。しかし、発売から何ヶ月たっても価格改定の2ヶ月前という時期や、もちろん前日という日だって必ず存在するということを忘れてはならない。

ちなみに、"iPhone" では下位モデルの4GB版はあんまり売れないので廃止になったらしいが、そういう意味では "iPod touch" 対しても全く学習機能は働いていない。"iPhone" の搭載メモリに対しては、発表当時から「そんなもんで足りるの」という印象を持っていたが、案の定である。(メモリといったって補助記憶装置を兼ねているんだからね)

当初、 "iPhone" に搭載されているメモリの容量も電話機なんだからそんなもんだろうという意見もあり、それももっともだと思うが、ヤツはただの電話機ではないということに気付くまで、2ヶ月もかかったのかという気もする。

発売当初 "iPhone" を買えない日本人の立場から見て、行列に並んだヤツらをうらやましく思ったものだ。諸般の事情で行列に並ぶことはなかったが、グリーンジャンボさえ当たっていたら、自分だってその場にいたに違いない。

しかし、その一方で、発売当初の価格に対して「待てばすぐに安くなるさ」とサメた意見も少なくなかった。ただ、そういう意見を目にして「フン、おまえなんかにコイツの価値がわかってたまるかよ。」というのが、発売初期に購入した(または、購入したかった)人の気持ちではなかったろうか?

おそらく、発売価格がもう100ドル高かったとしても多くの人が購入を考えるだけの魅力はあったし、購入後の満足感もあったろうと想像する。

アップルに対して、どこぞの社長が「4GバイトiPhoneから8Gバイトモデルへの無料アップグレードか、200ドルの払い戻しを提案」するというあつかましい意見までがニュースサイトに掲載されているのを目にすると、なんで、こんなヴァカが多いのかと情けなくなる。

ま、いっぱしの会社経営者の立場でこのような見解を述べる輩は、大抵のばあい消費者の味方、有権者の味方、庶民の味方のフリをして悪事を働く腹黒い政治家の資質を十分に持ち合わせていると思う。

もちろん、よその会社の損害は、その会社の規模と損害額が大きければ大きいほどワクワクする気持ちは、わからんでもない。(ソニーや松下のバッテリー問題で、その天文学的な損害額におもわず笑みを浮かべたのは私だけではないハズだ。)

ここで重要なのは、「発売からたった2ヶ月での価格改定」が発売初期に買った人たちに対してたいへん「失礼」であろう、という気持ちが不満の根底にあることだ。

アップルがやるべきことは、発売初期にお買い上げ頂いたありがたいお客様に対して誠意を見せることだ。それは、巨額の損失を計上してまで実施するような性質のものではない。それは、製品の不具合に対するリコールが発生するまで温存しておくべき予算だ。

価格改定で礼を失する施策に対してとるべき対応は、せいぜい「大手まんぢゅう」を持参し詫びを入れる程度のことだと思う。(またまた、ローカルな例えですまぬ)

で、「アップルとしては異例のお買い物券」発行というのは、
アップルとしては異例の対応の迅速さ」も含めて、それに十分に匹敵する
アップルとしては異例の礼の尽くし方」ではあるまいか。

(決して、初期購入ユーザに対してザマアみやがれと思っているわけではない...ないが、たぶん、行列に並んだ人や初期段階で購入できた人は経済的、精神的に裕福な人たちなんだからケチなこというなよ、という程度の気持ちはある。)

いずれにしても、2年近く待たされた新製品としては期待が大きいだけに随所に不満が残るラインナップではあるが、これはもちろん初代からの一(いち) "iPod" ユーザであり "Mac" ユーザの超私的な願望に過ぎない。

で、以下は極々個人的な願望ラインナップね、

◎ "iPod touch" は、ストレージにHDD160GBの旗艦(フラッグシップ)モデルと薄型軽量なフラッシュメモリ(16GB)タイプの2機種で価格はそれなりに、もちろんそのままならなおよい。

◎ "iPod classic" は、デザインを第5世代のまま価格改定と新モデルと同様のインターフェイス搭載。価格は80GB=27,800円、30GBは40GBにアップして19,800円。無理ではあるまい。

◎ "iPod nano" は、まあどっちでもいいがせめて周囲のエッジをたてて、もう少しシャープなデザインと前述のソリッドカラーやメッキ色を採用してくれればありがたい。ストレージサイズはフラッシュの8GB一本でよいし、なんなら動画機能はなくてもよい。

どうしても液晶の高解像度化をのぞむなら縦に延ばしてはどうか。 "iPhone" みたいに勝手に方向を認識してくれれば、それほど正立方向にこだわる必要はないと思うが、価格は19,800円でどうだ。

◎ "iPod shuffle" は、5色なんてセコイこといわずに、いっそ64色または128色展開というのはどうだ。これだけあれば、本当に自分のお気に入りのカラーが選択できるだろう。

もちろん不良在庫の山になることはわかっているが、解決策はある。適当な時期に売れ残りを集めて、流行モノの曲を入れて(ようするに中身入りね)限定モデルをデッチ上げれば、簡単にサバケルだろう。

また、アップルストアで半年に一度ぐらい「恒例の半額セール」みたいなイベントをやればそのまんまでも売れると思う。なんなら、マック本体購入者に抽選で「色の選択は無しね」というお約束を前提にプレゼントしてもいんぢゃないかなあ。この手の企画のアイデア、安くしとくけどアップルは買ってくれまいな。

巷では、概ね好評を得ている新ラインナップに対して、それほど大きな不満があるわけではない。ただ、いつも思うことは、「もひとつどないかならんか」というささやかな気持ちを表現してみただけなんで、適当に無視してもらって一向にかまわん、と思っている。

2007年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan