統一されないインターフェイス

 

2009年09月25日

2009年09月25日
統一されないインターフェイス

Mac OS X 10.6.1:Snow Leopard Build. 10B504 (QT 7.6.3)
and iTunes 9.0.1 (9)

Finder は、Mac OS という名称さえも与えられていなかった時代から、Mac User にとってユーザインターフェイスの規範となってきた重要なアプリケーションである。

...、てなことを先日書いたのだが、どうもアップルはそう考えていないようだ。


スノレパを使用し初めてから、そろそろ1ヶ月近く経過する。

その後、オプションキー絡みの挙動であやしいところが何ヶ所か発覚しているが、新しく増えたサービスや他のショートカットとの兼合いもあるので、詳細は未確認である。

一例を挙げるなら、ファイルやフォルダを開くときにオプ+コマ+ダブルクリックすると、開く前にそれらが存在していたフォルダを自動で閉じてくれる機能があるのだが、なぜか開く対象がエイリアスに限り閉じてくれない。

また、ずっと以前(OS9 時代だっけか?)にはその逆の機能、オプ+コマ+タイトルバープレスで階層を駆け上がっていく過程で、スタート地点のウィンドウも自動クローズ、なんてこともできていた時代もあったが、現在のようにオプ+コマ同時押しだと階層が開かなくなってもう久しい。

仕方がないので、とりあえずコマンド+タイトルバープレスで階層が開いてからオプションを追加押し、そんな面倒なやり方にやっと慣れたと思ったら、コイツも効かなくなってしまった。

コマンド体系は直交している方が経験を生かしやすいし、理に適っていると思うんだが、ここらあたりはまだまだあやしい。
(電車に乗ったら、行きと帰りで料金が違うようなものだな)

ファイルドラッグ時に、あとからオプション追加押しで移動ではなくコピーになる機能は働いているので、オプションキーの機能には問題がなさそうだし、もちろんキーボードの不良でもない。

いずれもレパではおけ〜の機能だが、はたしてこれはバグか仕様か?

情報ウィンドウのクローズボタンのみ、オプ+コマ+クローズボタンで一気閉めできないところも、いまだに修正されていないのでバグだと信じよう。

なにせ内部的に大きく変わったので、初期バージョンではいろいろバタつくのは致し方ないところではある。

ただ、そんな機能的な部分とは別に、もっと表層のインターフェイスにおいて、何かとっ散らかった印象を覚えるのだが、これは一体なんだろうと考えてみた。

アップデート当初の第一印象では、以前のレパがベータ版に見えるほど洗練された各機能とその軽快な動作も相俟って、完成品の域に達したかに見えた。

だが、長時間使用しているうちに多少その印象も変化してくる、いわゆるひとつの第二印象(一目惚れの落し穴)か?

Mac OS X の GUI の基調が、初期の Aqua から現在の Brushed Metal になってずいぶん時間がたつ。

個人的には、クールな印象の Brushed Metal は気に入っている。



Brushed Metal vs. Aqua (Tool Bar & Scroll Bar)

本来主役であるはずの内容物を目立たせるという意味では、外装は地味であるほうが良い。

そのおかげで、ウィンドウ操作の基本要素である、閉じる、仕舞う、広げるという3つのボタンが目立ってくる。外装であるべきツールバーやそのボタン類、ウィンドウの外枠などにカラーを採用する場合は、必要最小限に留めるべきである思う。

識別という点では、あらゆるものを色や形などで区別させたい場合もあるだろうが、外枠で識別しようとすること自体に無理があり、内容物が目立たなくなっては意味がない。雑踏における看板の識別性と同じで、どんなに目立とうとしても派手なものが大半を占めるようになった時点で破綻する。

また、そんなところ目立たせてどうするの、という勘違いなものも世の中には多い。(で、これが売れる、だから多い)

ダイアログボックスの文字の背景にカラーだけならまだしも、グラディエーションを使用するような OS や、いまだにバカデカいカラフルなボタンを多用したようなブラウザなどは使う気がしない。
(↑もちろん、それだけが理由ぢゃないけどね)

基本はモノトーンが良かろうと思うのだが、できれば色彩だけでなくその形状にも統一感は欲しい。

アプリケーションが変わったからといって、似たような機能に対して外観や操作方法がマチマチでは使いにくい。

現状では、だいたいどのアプリでもツールバーにあるボタンや検索のための入力フィールドなどは共通で、迷うことはあまりない。

アプリケーションによっては、アイコンに加えてテキストも表示することをデフォルトにしているものもあるが、ユーザがある程度新しい機能に慣れてくると、テキスト表示は必要なくなる。

また、テキストがないとその機能がわからないようでは、そのアイコンのデザインに問題があるわけで、そうでないとアイコンの意味はない。


スクロールバー(Finder)

前述の、とっ散らかった印象の要因というのは、主にスクロールバーとスライドバーにあるようだ。

iTunes では Brushed Metal にマッチした色彩のスクロールバーが採用されているが、Finder ではいまだに Aqua のままだ。

別に Aqua 自体悪いわけではないのだが、袴に靴は合わんだろう、または葬式にそのネクタイはまずいだろう、という意味ね。

たしかに、色だけならブルーではなくグラファイトという選択肢もあるが、デザインはやはり Aqua である。

しかし、アピアランスなんぞほとんど選択肢も無いくせに、いまだに環境設定で一人前の席を取っているのもいかがなものかと思う。

Mac OS 8 でよっぼと懲りたのだろうが、形状はともかく色ぐらいはユーザの好きにさせろよな。そのほうがユーザの評価など気にせず、思い切った外観の刷新できるだろうに。

だいたいアップルは、押しつけがましいくせに...。

本筋から大きく外れそうなので、この件に関してはいずれまた別の機会に....ということで。

Numbers にいたっては、起動直後の表示される「テンプレートセレクタ」では iTunes と同様のデザインだが、テンプレート選択後のメインウィンドウでは Aqua にもどるという、わけのわからない仕様である。


テンプレートセレクタ(Numbers)

ま、なんでも一気にやっちまうとあちこちで炎上するから、徐々に徐々にということだろう。

そういえば、いまだに Finder では Safari と同様スクロール領域がない場合、スクロールバーを非表示にして表示領域を少しでも広げようとする、姑息なやり方をやめようとはしない。

Safari ではスクロール領域がないような短いページに遭遇することはめったにないので、それほど気にならないが、Finder ではそのメリットが体感できるのは Safari と同様にファイル名が文字として識別のメインになるリスト表示のときだけである。

(←なんか、マヌケぢゃね?)

カラム表示の時には、スクロールの必要がない場合でもしっかり領域だけは表示しているのに、なぜか、 アイコン表示では消えてしまう。

アイコン(それもバカデカい)表示では、5mm 程度の恩恵は誰もそれほど感じない。本来、このような仕様は文章をメインに扱うテキストエディットでこそ採用されるべきなのだが、閲覧がメインのプレビューにはあっても、テキストエディットにはない。


おかげで、並び順序の設定がされているウィンドウはそのサイズ設定のために頻繁にリサイズを余儀なくされていた。

意味のない非表示をやめるか、せめてズームボタン(緑玉)をクリックした時ぐらい、スクロールバー領域も考慮したリサイズをしてはくれまいかと長年願っていた。(もちろん、ただ祈っただけぢゃなく、フィードバックに文句は言い続けていた)

今回、リサイズに関してのみスノレパ(10.6)において、や〜っとこさ正しい動作になるように修正されたようだ。\(^o^)/

スクロールバーを非表示する仕様になった最初の頃は、ズームボタンをクリックするたびにどんどんウィンドウ幅が狭くなっていた。

最後には、アイコン縦一列でバカみたいに細長いウィンドウが画面からはみ出していく様を呆れ顔で見ているしかなく、 サイズボックスは、画面の表示領域外の遥か彼方に...。

さて、どうやって元のサイズに戻したものかと途方に暮れたものだ。結局、ズームボタンもアイコン表示以外ではまともな挙動であったので、表示モードをリストに変更(たしか当時は、まだショートカットもなかったような)してから再度ズームボタンをクリックという、非常に面倒な操作を強いられた。

もちろん、オプション+ズームボタンクリックという手もないことはないが、他のウィンドウもリサイズの影響を受けると、あとが面倒なのでやりたくはない。

その時は、こんなアホな仕様すぐさまフィックスされるわいと笑っていたが、細かい点においてまで完全に解決されるまでは、なんと長い時間が必要であったことか、…遠い目 ( º-º)

スノレパ(10.6)初出の時に気づくべきであったが、最後にズームボタンがまともに機能したのがいつだったかを忘れしまうぐらい大昔なので諦め半分、確認を怠っていた。

関係各位には、ここに訂正してお詫び申し上げます。m(_^_)m


...で、なんだったっけか?

おう、そうか、スライドバーである。

スライドバーに関しては、よりいっそう混沌としている。


表示オプション

アイコンサイズを調整するという機能では、以前からある「表示オプション」ウィンドウで採用されている目盛り(目安?)付きのスライドバーは、たぶんその表示領域の問題から採用されなかったのだろう。


Finder 二態(上:ツールバー無/下:ツールバー有)

しかし、Finder では同じウィンドウでありながら、表示モード(ツールバーの表示/非表示)によってデザインは微妙に違い、場所は大きく(上下に)変わるのでたいへん鬱陶しい。

ステータスバーは下で常時表示、パスバーは個人的には邪魔臭いので使用しないが、どうしてもというのならタイトルバーの直下あたりではまずいのだろうか?

とりあえず、スクリーンショットとプレビューで、20分ほど切った貼ったと遊んでみた結果の手抜き作品を...。


なんちゃって Finder XX(クリック拡大)

次に、iWork ’09 の中ではよく使用する Numbers。コイツのスライドバーは、iTunes 8 までメインボリュームに使用されていたそれに近い。

Numbers と iTunes ではアイコン(プレビュー)のサイズ調整用のスライドバーは、ボタン(ツマミ?)のデザインが異なるだけでなく、方向(拡大/縮小)をあらわす表示まで違うのである。


iTunes 9 Right Side Top

また、iTunes 9 で笑えるのは、同期などの工程や進捗状況を表すプログレスバーである。どう見ても暫定的な雰囲気が漂っている。

開発過程において気づかないはずはないんだが、iPod の発表に合わせるためによっぽど慌てていたのだろうと考えていた。


プログレスバーの怪!?
バーの中身と窓のサイズが合っていないように見えるのは、気のせいか?

ところが、9.0.1 になってもそのまま修正されないのは、どういうことだろう?

(ひょっとして気づいてないとか、いやいや実はこれが新しいデザインなのですわとか、それとも、iPod touch に搭載するカメラユニットの不具合で会社全体がひっくりがえっていたんでそれどころぢゃ...とか? まさかなあ…)


iTunes Left Side Top

いずれにしても、iWork や iPhoto に代表される iLife のメンバーも含めて、統一感という意味においては、Leopard & iTunes 8 の頃の方がスッキリしていた。(と思う)


iTunes 8 四態

どのソフトもプレビューやアートワークの背景は黒またはグレーであり、それが内容物を引立てる効果が大きいと判断されたがゆえに採用されてきたはずである。(iPhoto、QuickLook などの背景)

しかし、現実には iTunes 9 のビデオのアイコン表示は白に戻され任意の選択(←便利な言葉)もできない。Finder では異なるデザインのスライドバーが、上や下に行ったり来りである。

どう見ても、Finder がユーザインターフェイスの規範となっているとは言い難いのが現実である。


たしかに、アップルからみれば少なくとも数字の上では

「そんな細けえこと、いちいち気にするバカは2割もいねえよ」

と、いうのが最近の傾向かもしれない。

【参考文献】

Apple Human Interface Guidelines :
Apply the 80 Percent Solution(80%の要求に応えよ

しかし、8割以上の人は問題に気づいていないか、そんなことに全く興味がない人々の可能性だってある。

かつて Steve も引用していた、自動車会社フォード・モーターの創設者であるヘンリー・フォードの有名な言葉がある。

「車つくる前の市場調査なんぞ糞食らえだ、ヤツらはもっと速え馬が欲しいと言うに決まってらあ。」(←ちょっと意訳)

ま、製品発表後の調査までを数をかぞえただけでやってなけりゃ、そのうち何とかなるんだろうとは思うが...。

ほんとうに、だいぢょうぶかなあ?

(Mac OS Xフィードバック済)

2009年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan