掟破りなインターフェイス

 

2009年10月09日

掟破りなインターフェイス

Mac OS X 10.6.1:Snow Leopard Build. 10B504

調整、カラーを調整、イメージ調整、いずれも調整には違いないが、iPhoto、プレビュー、Numbers から同じ調整機能のスクリーンショットである。

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ソフトによって似たような機能の呼び出し方が、これほどマチマチな例も珍しい。これがすべて同じ会社(アップル)のソフトなんだから、あきれてしまう。


あるものはグラフが下に、またあるものは上が明度だったり露出だったり、彩度が色温度とついたり離れたり...。

ツールの配置だけではなく、機能の点でもバラバラである。

調整後にリセットして元に戻すことはできても、元画像と比較して調整の効果を確認することはできない。

Numbers の調整ボタンによる自動調整はお手軽で良いが、なぜか調整後のパラメータは確認できない。(スライダに反映されない)

だいたい、調整という機能を選択した設定項目の中に、唐突に「調整」というボタンを表示されてもユーザは戸惑う。「自動」とか「自動調整」または「オレにまかせろ」ぐらいの表示をするべきだ。

調整された結果を見て次にユーザが期待するのは、自動調整によってどの項目がどのように調整されたか、ということであるはずだ。

もちろん、結果に不満があれば微調整ということになるのだが、「お手軽な調整が気に入らなけりゃ、最初から全部自分でやれば?」という、不遜な態度なのである。

くやしいが、この自動調整はかなりウマいので、まずやり直すとはない。だからこそ、どこをどのようにということが知りたくなるのだが…。

iPhoto のインターフェイスでは、調整パラメータをコピーしておけばリセット後にペーストすることによって効果を確認できる。(が、その設定を保存することまではできない。)

しかし、他社のソフトではプレビュー用のチェックボックス一発で実現されていることを、何度もコピペしなくてはならないようなアホなインターフェイスをいまさら考えつく背景には、一体何があるのだろう。

ソフトによって機能の違いがあることはわかるが、同じユーザが使うのだということを忘れているのではあるまいか。

せめて、名称や配置などの基本的な部分ぐらいは共通化しても、バチは当たるまい。

今回のスノレパのプレビュー(ver. 5)は、機能や速度の点で大きくバージョンアップされている。しかし、バージョンは上がっても、使いやすさはそれほど改善されていない。(分かりにくさだけは、十分に増したと思う)


上のメニューバーの明快なアイコンに対して下のツール類の醜さはいったい…

こんなチマチマしたアイコンを狭いステータスバーに並べるくらいなら、一般的なツールボックスをフローティングで表示した方がはるかにマシだ。

使いやすさはという点では、プレビューに限らずアップル純正のソフトはいずれもどんどん迷走状態に陥っているようにも見える。

その要因のひとつに、ユーザインターフェスの不統一が影響していることは明白だ。

もともと画像の閲覧用の簡易ソフトとして発展してきたプレビューであるが、機能を増すごとに感じることがある。

それは、要するにペイントとドローとメモ用紙の機能さえあれば、たいていの作業はこなせるが、プレビューというソフトはその方向へ行くために、ずいぶん遠回りをしているのではないか、と。


Mac OS 9 の時代には、色々な制約の中で少しでも使いやすくしようという努力の結果、デスクアクセサリとしてメモ用紙やスクラップブックといった、定番ソフトが装備されたいた。

マックペイントやマックドローといった、ユーザの工夫次第でそれなりに使えるソフトウェア群も選択肢であったし、それから派生したサードパーティ製品は数えきれないぐらいだ。

性能的には、当時の Macintosh とは比較にならないほど進化した現代の Mac において、どうもいまひとつ痒いところに手が届かないジレンマを感じるのは何なのだろう。

Dashboard がデスクアクセサリのかわりの役目を果たしているとは到底思えないし、メールのメモ機能にも何か違和感がある。

凝った機能のアイデアプロセッサは、市販のものを探せばは数多あるし、パブドメやフリーウェアにもあるだろう。

しかし一般的な用途では、 メタデータの使い方にひと工夫を加えることで、かつてのペイントとドローとメモ用紙に加えて、あとはスクラップブックみたいなものさえあれば、十分に事足りる。

バンドルソフトや「iLife」に期待するのは、そのような部分であるはずなのだが、残念ながら今の Mac にはそれが無い。

簡単なペイントとドローの機能といえども、起動するにも数ステップの手順を経て10秒以上かかるような、重量級のソフトの中に組み込んでしまっては意味が無い。 そんな手間をかけて起動したソフトに期待するのは、簡素機能ではないからだ。(iWork)

また、「簡単な」といっても、図形を選択するのに縦一列の羅列が最善の方法であると感じるユーザが、どれほどいるのだろう。簡単に使えるということと、機能が少ないことは必ずしも同一ではない。

Mac OS に標準装備されるソフトウェア群は、けっしてただのオマケではなくユーザ経験の基礎を作る、ひとつのガイドラインである。

そういった基本となる優れたバンドルソフトが装備されれば、サードパーティからもより良い発展形が生まれてくるものだが、肝心のガイドラインがおそまつな現状では、それも期待できない。

そろそろ、機能の付け足しばかりではなく「使いやすさ」を根本から見直す時期に来ていると思う。

(Mac OS Xフィードバック済)

2009年10月某日 Hexagon/Okayama, Japan