2011年08月04日:ライヨン、その後のあと

 

2011年08月04日
[08/06:追記]

 
ライヨン、その後のあと

何やかやで、着陸点どころか、墜落を回避するのがやっとで、もう不時着しかない状態であるライヨン。

そういえば、10年ほど前にもこんな気分になったのを思い出す。

忘れもしない 2000年10月21日、新宿高島屋で購入した Mac OS X Public Beta を持帰り、早速インストールした時の感覚と似ている。

え〜っなにこれ?こんなモン使いものになるのか?

ま、あの時ほどのショックはないが、早々に Mac OS 9.2.2 に戻した憶病者も周りには何人かいたのは事実だ。

フルバックアップが入っているハードディスクをぼんやりと眺めながら何度か、スノレパに戻すなら早いほうがいいよな、いろんなデータが更新される前に戻したほうが面倒がないよな、とりあえずライヨンは外部ドライブにでも組んでおいて当面はスノレパな環境で…。

いやいや、そんなことでどうする。これからの10年の入り口に立っているんだから、後に引くわけにもいくまい。ここはヒトツ、勇猛果敢にジャングルの奥深くまで前へ前へ、である。

てなわけで、頭をよぎる不安と後ろ向きな誘惑を跳ね除けて、タイムカプセルも再設定しました、新しいライヨン環境で。

ライヨン総括:

OS X Lion にしてよかったこと
◎MacBook Air での操作性向上(対スノレパ比較)

以上

OS X Lion にしなけりゃよかったこと
●動作が緩慢(対スノレパ比較)
●UI デザイン上の機能後退
●設定項目における矛盾および不一致
●相変わらず改善されていない点が多い
●初期設定での不可解なトラブル
●MobileMe 関連の非互換性および操作性の悪化

上記以外に多数あり(以下後述)


●動作が緩慢(対スノレパ比較)

スノレパになった時、最初に感じた魅力は、プレビューなど純正アプリの反応速度が、劇的に向上したことだ。

また、簡易ではあるが写真のカラー調整機能や PDF および PNG ファイルに対する追記機能など、従来グラコンやフォトショなどのグラフィック専用ソフトで行っていた作業の大半がおまけのプレビューででき、なおかつその動作が他の何より機敏でなのであった。

しかし、OS X Lion になってから、主に見せるための機能強化により動作が緩慢である。その傾向はファインダによるファイル操作にもおよび、全般の操作性が低下している。Sandy Bridge をもってしてもなんとなくモタつくのは、いかがなものかと思う。

●UI デザイン上の機能後退

ただ単に見せかけだけの類似性を装ったとしか思えない Launchpad を筆頭に、広い画面を持つデスクトップ機まで整合性を取ろうとする努力が足りないと思う。

Launchpad もドックのかわりに使うのなら、わざわざ非表示に設定しているドックを表示させる必要はないし、キーボードでアイコン選択が出来ないとタッチパネルでない機種にはお飾りにしかならないと思う。

順序を設定する場合も、iOS と同様のトコロテン式の配置も設定しづらいだけだ。いっそグリッドに沿った整列か、後述の複雑怪奇な表示設定の一部機能でも取り入れて、半自動で整列後、マウスで複数アイコンをまとめて移動ぐらいは出来ないと、その設定自体ユーザにとっては苦痛でしかないだろう。

だって、ファインダ上でも似たような設定はするのだから、できれば二度手間になるのは避けたいし、それが使う気にならない程度の機能しかないならなおさらである。

ちなみに、Launchpad のアイコンはドックから取り除いても取り除いてもゾンビのようにドックに戻ってくる、不屈の精神をたたき込まれているようで、視界から消すのは一筋縄では行かない。(多分アクセス権の不具合が原因だと思うが)

ファインダについては新しくデザインされたサイドバー、従来と順序が変更され一般ユーザにとってより優先されるものが上の方に来るようになっているが、その設定を変更できないため必ずしも使いやすくはなっていない。

上と下という単純な発想では、上が優先順位が高いと考えがちだが、それはある一定以上の大画面に対しては通用しない。

かえって真ん中当りの方が使いやすかったりするものだが、当然 27インチの iMac の画面では優先されるはずの「よく使う項目」というのは、大画面のはるか上方にあり、必ずしもアクセス性が良いわけではない。

また、階層構造を意識する必要がないという上から目線の押し付けにより、理にかなわない順序で展開されるサイドバーは、「よく使う項目」そのものが格納されているはずの、起動ドライブとの間を「共有」という項目に分断されている。

従来の上から、ディバイス/共有/場所/検索なら、より下に配置された項目を優先したい時は、上位項目を閉じることによって上に持ってくることも、使いやすい中ほどに表示させることも可能であったが、最初から上に固定されてはそういったアレンジのしようがない。

結局、ウィンドウ自体をある程度使いやすい位置まで下げてやるのだが、ポインタはメニューバーとの距離を行き来する無駄なストロークを余儀なくされる。

ユーザによるカスタマイズ機能を残してくれていたら、その印象はよいモノにもなり得たのだが、ガチガチの固定機能であるためにどうしようもない。

また、場合によっては頻繁に使用するツールバーの表示/非表示が、ボタンが消えたことで右クリックおよびショートカットだけになり、非常に不便である。ツールバーのアイコンも「小ささサイズを使用」が省かれ、これまたカスタマイズできない。

サイドバーの幅が変更できるのは良いが、ポインタをうまく合わせないと変更できない上にその動きもトリッキーでスムーズではない。

どうせ、フルスクリーン関連のボタンを配置するのに苦慮したあげく、表示/非表示ボタンを犠牲にしたのだろうが、もう少し犠牲の少ないスマートなやり方を思いつかなかったのだろうか?

機能を減らせば操作性がシンプルになると考えるのは、あまりにも短絡的で芸の無い発想である。

それによって、操作が複雑になることまで考えて欲しいモノだが、この辺が手抜きと言われる所以ではないだろうか。

だいたい、スノレパでもそうだが右クリックで表示される「ツールバーを隠す」を左側にあるチェックで選択させるインターフェイスは根本的におかしい。本来は、表示されていれば「ツールバーを隠す」で表示されていなければ「ツールバーを表示」とするべきだろう。

もともと、チェック(チェックボックス)というのは選択肢が複数ある場合に使用されるものであり、二者択一の場合はラジオボタンというのが伝統であったはずである。

スノレパで重宝していたのが、ファインダを含めてどのアプリでも選択したテキストを「Spotlight で検索/Google で検索」を選ぶことができたのだが、OS X Lion では「Spotlight で検索」はできない。

かわりに「〜を調べる」という機能で、わざわざ辞書アプリを標準添付しておきながら狭い範囲でしか表示されない辞書表示のみの選択肢になってしまい、Spotlight と同様に辞書アプリにもコピペしないと使えなくしてしまう始末。

ユーザに選択肢を与えないのは、アップル古来からの伝統みたいなものだが、使い勝手を悪くしては本末転倒であろう。

一体何を考えているんだろうか?

どう考えても、アホとしか思えない。

[08/06:追記]

システム環境設定内のキーボード項目にショートカットに関する項目がある。毎度ここを開くたんびに、眩暈がするぼど選択肢は与えられているのだが、よく見るとサービスの検索項目にある “Spotlight” のチェックがデフォで外されている。

ショートカット(Shift+⌘F)自体は、マイファイルとモロにバッティングしているが、無視してチェックを入れてやれば、右クリで表示されるサブメニューの下の方に申し訳程度に “Spotlight” は表示され機能する。

しかし、「辞書で調べる」のチェックは入ったままなので、それを外そうがショートカットを割付けようが、何が何でも前述の狭い画面の「〜を調べる」は従来の辞書アプリへ検索語句を受け渡すことはできない。

[08/18:追記]

…と、思ったが、辞書名をクリックすることで辞書アプリで参照できる上に、テキストエディットと同様に縦書きも指定できるので、それほどアホでもない。

おそらく、フルスクリーンモードでの使用に焦点を合わせた仕様変更と考えられるので、慣れるしかあるまい。

したがって、選択肢を与えないという表現は必ずしも適切ではないかもしれないので、ここに前言を撤回し訂正します。

ファイルの扱いでは、従来コマンド+シフト+Sに割り当てられていた、名前を変えて保存という機能が消滅した。

変わって登場したのが、バージョンを保存とという聞きなれない機能で、これが保存のコマンド+Sに割り当てられた。

ただ、写真などを加工してオリジナルとは別に保存しておきたい場合など、わざわざ複製を作ってそちらを保存してやらないといけない。やれロックを解除しろ、やれ複製を作れと、なにかと指図される。

何も考え無しに作業をしているわけではないのに、いちいちウルサイのだ。

こちとら、ロックなんぞした覚えがないのに勝手にロックしておいて、最後には保存するのかと聞いて来やがる。

書類の保存場所によっては、バージョン保存が出来ないなど、その全貌を掌握する手間を考えると、ちと面倒だ。

要するに、タイムマシーンでバックアップされていない領域で作業なんかするな、と言いたいのだろうが大きなお世話だ。

●設定項目における矛盾および不一致

今回から新設された、整頓順序・並び順序・表示順序というのが、不可解極まりない。

・整頓順序(表示メニュー)

・並び順序(表示メニューおよび表示オプション)

・表示順序(表示オプション)

メニューバーと表示オプションに上記の項目が分散されているのだが、ご丁寧にもツールバーにも似たような機能のボタンまでがデフォルトで表示されている。ところが、ツールバーの「並べ替え」というボタンは「なし」または「名前」以外を選択すると、そのボタンの名称とは裏腹に並べ替えなどしない。表示方法を根本から変えてしまうのだ。

表示オプションでは、なんと並び順序と表示順序が同時に設定でき、その組み合わせたるや誰がそんな凝った設定をしたがるんだと言いたくなるような、複雑怪奇な設定である。

なおかつ、やっかいなのはメニューバーの整頓順序で選んだ「種類」の並びと、表示オプションの表示順序で選んだ「種類」の並び方は一致しないどころか全く逆である。

加えて、表示オプションでは各ウィンドウのデフォルト表示を設定できるはずなのだが、アイコン表示を選択したつもりでも一度でもリスト表示を選択すると、変更されてしまう。

なんのためのデフォルト設定なのか、まったく意味がない。

一時的な並び替えで使用する並び順序は整頓順序と呼び方を変えてショートカットも、コマンド+コントロール+数字からコマンド+オプション+数字に変更された。

しかし、この並びも表示オプションの設定と一致せず、メニューバーの整頓順序で選択した設定は表示オプションには反映されないので、表示方法に矛盾が発生する。

表示オプションで「並び順序=名前」を選択していても、メニューバーの整頓順序で種類を選択するとそのウィンドウ内のファイルは種類順に並び、表示オプションでの設定は「並び順序=名前」のままである。

コマンド+コントロール+数字のショートカット体系は、呼称の上ではスノレパ同様にメニューバー内の「並び順序」であるが、その実態は表示順序(正しくは表示方法)に他ならない。

いったいどうして、こんな複雑な表示設定を搭載する必要があるのだろうか?

複雑な上にまともに機能しないのでは、だれも使わないだろうな。

また、表示オプションだけでなくアクセス権にも関連していると思われるが、アイコンの並びが設定した状態を維持できないトラブルも何度か遭遇した。

●相変わらず、改善されていない点が多い

ファイルの並び方に関する設定項目の醜さに比べたら、それこそかわいいものだが、長年疑問に思うのが「システム環境設定」の書式に関する設定である。

月日のまえにゼロを着けて桁を揃えたいだけなのに、時刻表示を24時間表示にしたいだけなのに、区切り記号をピリオドに変更したいだけなのに、どうしてあんなに数多くの項目を設定しないといけないのだろう?

こういうところこそシンプルにすれば、設定も楽になるのだが。

どう考えても、バカとしか思えない。

ファインダ上で、漢字のファイル名はダブルクリックで選択できない。カタカナやアルファベットではできることが漢字のみできない。それも、ファインダだけ、なぜできないのだろう?

情報ウィンドウは、オプション+クローズボタンで一気に閉じないのはなぜだろう?

オプション+コマンド+W でできることが、なぜできないのだろう?

Mac OS X 10.3 までは簡単にできていたことが、なぜできないのだろう?

●初期設定での不可解なトラブル

最初にアカウントを作成した直後は、他に何も設定変更していなければパブリックフォルダの共有設定を切ることができるが、共有名を変更したり別アカウントを作成した後では、オフにすることができない。

結果、複数ユーザを設定した Mac にアクセスするとユーザの数だけ「〜のパブリックフォルダ」というのが表示され、鬱陶しいことこの上ない。

この当りも、スノレパでは簡単に出来ていたことだ。

Air Drop のファイル交換も簡単で便利なのだが、相手側も操作してくれないとファイルを送れない。ましてや、ファイルを取ってくることは不可能である。

上記の仕様変更(バグか?)とあいまって、ファイル共有機能は後退したといわざるを得ない。

●MobileMe 関連の非互換性および操作性の悪化

OS X Lion がプリインストールされた機種では、もっとも MobileMe 的なアプリである iWeb がバンドルされていない。

よっぽど使って欲しくないのだろうが、来年6月末までサービスを継続するなら、最後まできちんと対応しろと言いたい。

iWeb のデキも相当悪かったが、OS X Lion 上での iWeb の挙動にはあきれ返るものが多い。

書式が反映されないなどは日常茶飯事で、今回はページの修正状態を正しく認識できていない。わずかにスクロールさせただけで、そのページが更新されたと判断してサイドバーのアイコンが赤にかわる。

最終更新なら無視して保存しなけりゃ問題はないが、複数ページにわたって参照しながら編集した場合などは、何度も無駄なアップロードを強いられる。

仕様ではなく明白なバグであることはわかっているが、おそらくもう修正する気もないのだろう。

なおかつ、ギャラリーへの写真アップロードに関して言えば、一枚ずつしか選択できない。Java による選択画面でコマンドやシフトキーを使用した複数ファイルの選択がいっさい出来ないのだ。

スノレパでは可能なため、MobileMe 側の問題でなく OS X Lion の仕様であることは明白なのだが、そんな基本的な機能を削ってどういうつもりなのか全く理解に苦しむ。

ま、単なる嫌がらせなのかもしれない。


iCloud サービス開始までもうそれほど時間もないはずだが、MobileMe の同期機能でアドレスブックのグループ情報が全く空になってしまうトラブルもあった。

データが消えているわけではなく、登録しているグループから消えただけなので再度登録してやればよいのだが、その数が多いと面倒だし、何かの覚えとしてグループ分けをしている場合もある。

覚えとして登録しているという時点で、その内容を覚えているわけではないのは当然だろう。

結局、タイムマシーンの登場となったわけだが、こんな基本的な同期でコケている状態では、iCloud にも一抹の不安を感じないではいられない。

もう先がない MobileMe 関連のサービスに対して、あからさまな嫌がらせを仕掛けてくるアップルである。

誠に腹立たしくも、いまいましい iWeb と iDisk であるが、こうなったら意地でも OS X Lion で MobileMe 関連のサービスを最後の最後まで使い切ってやろう思う。

それが、せめてアップルに対する嫌がらせになるのなら、なにより幸いである。


2011年08月某日 Hexagon/Okayama, Japan
 

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