2012年01月29日:Bose OE2i & Audinst HUD-mx1

 
 
Bose OE2i & Audinst HUD-mx1

深夜の作業中においては BGM を大々的にスピーカに出すわけにもいかんので、もっぱらヘッドフォンを愛用している。外では iPhone 用として [MA850G/B] Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic という長い名前の製品を常用しているが、個人的にどうも耳栓タイプの装着感は好きになれないし、室内においては許容できない。

長年使用していたのは、禅(Sennheiser HP500)と二代目 iPod に付属していたオマケイヤフォンおよびその後継同タイプなんだが、さすがに両者ともくたびれてきた。エージングが進み過ぎて単なる劣化の域に達した感があるので、そろそろ後継を物色。

思わず笑っちゃう価格の HD800 はこの際見なかったことにして、かつて短時間だったが試聴してすこぶる印象の良かった、禅の HD650 が第一候補だ。インピーダンスが 300Ω なんでヘッドフォンアンプが必要になる可能性が高い。まずはそこから探索してみた。


2ちゃんの禅板では DAC 談義で盛り上がっているようだが、残念ながらヘッドフォンごときにあまりコストをかける余裕は無い。この手の話でいつも不毛に感じるのは、DA コンバータの性能以前に変換後のアナログアンプの性能を無視した論議が多いことだ。

Mac や AirMac Express のオーディオ出力品質は、大半が内蔵のアナログアンプが決定しているにもかかわらず、一足飛びに DAC の性能に言及しあそこまで盛り上がれるのは、不思議といえば不思議である。

が、いろいろ調べてみると外部 DAC を使用すれば、USB 出力が利用できるので、音質はさておき単なるアナログ信号増幅機より精神衛生上スッキリするという効果もある。高級な DAC を使えばさらに音質向上も期待できるだろうが、ヘッドフォンを差しっぱなしでもシステム環境設定でいつでもスピーカに切替えられる機能の方が、当面はメリットがありそうだ。

というのも、現在メインで使用している iMac 27 には Bose M2 が繋がっているのだが、コイツは MediaMate や Companion シリーズと違いヘッドフォン端子がない上に、入力端子も一系統しかない。ヘッドフォンを使用するためには、iMac 背面の出力端子に刺さっている M2 のケーブルを抜いて差替えるのだが、これが結構面倒だ。

当初は手元にヘッドフォン端子の付いたコントローラを持つ Bose Companion®20 も検討したが、使用頻度からすればすでに劣化が進んだヘッドフォン群の方がウェイトが高いので、今回は却下。

ちなみに Bose M2(現 MusicMonitor®)は、小さくて邪魔にならないことが最大の長所であり、巷で言われるほど低域が出るわけでも無い。ある程度のパワーを入れてやれば確かに音圧はそれなりに得られるが、それは飽和感が伴う低音であり下の方は伸び切っていない。あくまでもサイズの割にはという前提があるので、イコライザで64KHz周辺を少し絞ったほうがキレイに鳴る。

このあたりのチューニングは MediaMate や Companion シリーズの方がマシだが、それが却って深夜の視聴には向いている。とりわけ中高域のソリッドな明瞭度は最新 Companion 2® よりも優れることもあり、前述の接続性に関してまことに使い難い面を持っているにもかかわらず、ずっと旗艦のメインスピーカとして君臨し続けている。…余談、でもないか。

とりあえず、ヘッドフォンアンプは Audinst HUD-mx1 というのが、USB バスパワーにも対応し前面に切替えスイッチもあって、価格も安い部類に入るのでこれに決定。ヘッドフォン購入前に試しに導入してみたのだが、予想通り使い勝手が良い。


Audinst HUD-mx1
出来の悪い周辺機器にありがちな、ドライバインストールや面倒な設定などはいっさいなく、接続した途端にシステム環境設定に現れるプラグアンドプレイもありがたい。ただ、インピーダンス 300Ω の HD650 を鳴らし切る(笑)ことが出来るのかはイマイチ不安がないわけでもないし、ヘッドフォンアンプも含めたトータルコストの問題もある。

そこで、セカンドチョイスとして同じ禅の通称プリンちゃん(HD598=50Ω)も候補に入れて検討することにした。価格も HD650 と比較すれば、差額でヘッドフォンアンプ代ぐらいは出る計算になる。早速、駅前の某Bカメへ赴き試聴。さすがに低域の分解能では HD650 に一歩譲るが、装着感も含めて概ね良好というか、期待通りの禅らしい鳴り方である。

型番からも、長年使用していた HD500 の真っ当なアップグレード版といえるだろう。ところが試聴まではできたのだが、運(時期)悪く店頭在庫なし。ネットで探すもどこも在庫を持っていない上に、納期未定である。機種選定段階ではじっくり落ち着いていたつもりだったが、いざ購入を決断したらイラチンは待てないのが性。

すかさずサードチョイスをどうするか検討に入る。マヌケなことに、そういえばウチのサイトの広告主は尼と坊主だったことに気付く。まるでどこぞの宗教法人のようだが、もちろん Audinst は尼でポチったことは言うまでもない。 ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒

←で、Bose OE2i である。以前は、OE (on-ear) よりも AE (around-ear) の装着感とスッキリした鳴り方に好感を持ったのだが、今回の試聴した昨年11月に世代交代したセカンドシリーズでは、音が痩せてしまった感がある。逆に OE (on-ear) では、過剰な低音が鼻(耳)に付く割にヴォーカルが引っ込んでしまう先代より下が控えめになり、若干中域よりにバランスが変わって好印象である。

iPhone コントロール機能付きの OE2i では価格も下がって AE2i と同価格になったこともあり、こちらに決定。色は iPhone とおそろいのホワイトカラーが選択できるのも良い。プリンには後ろ髪を引かれるが、禅の日本法人の流通や在庫管理は、坊主さんに比べりゃきわめてお粗末としか言いようがないので、いわば制裁措置(愛のムチ?)ということで自分を納得させることにした。

禅の魅力は、低域の量感だけでなくその解像度が高いことだ。それに比べると中低域の解像感や音場の広がりなど不満もあるが、使用し始めてまだ日が浅いので、時間とともに改善されるものと期待する。

危惧された装着感も、それほど側圧が強いわけではないので過度の圧迫感を伴うものではない。それでいて、パッドの材質により密閉度はそれなりに保たれる点は優れモノだ。ケーブルも不必要に長い禅(3m!!)に比べて約半分の適度なちょい長め程度(1.7m)であり、その質感も純正イヤフォンのような粘着質ではなく衣服にまとわりつくこともない。

惜しむらくは、携帯性を考慮した結果ヘ
ッドバンドのクッションが薄いため、頭頂部にそのわずかな重量(99g)以上の存在を意識せざるを得ない。このあたりは、総重量でははるかに重たいはずのプリンには負ける。

しかし、そのぶん専用キャリングケースもついているし、純正イヤフォンに比べてタッチの良いコントローラも相まって、iPhone や iPod 用のモバイルヘッドフォンとして屋外での使用も快適である。

また、Audinst HUD-mx1 に関して、HUD-mx1 に接続した場合と、iMac 直結の音質の差は、我駄耳にはハッキリ言ってわからない。が、無用なノイズも発生していないようなので、私的にはその機能性だけで十分である。

3.5mm&6.3mm の2系統ヘッドフォンジャックに加えて、背面に RCA および光出力も備えているので、その気になれば複数のヘッドフォンやスピーカを接続することもできるだろう。したがって、単純にデジタル切替器としてもコストパフォーマンスは高い。

いや〜、久々のオーディオネタだなあ。

…ということで、Amazon & Bose もヒトツよろしく。

[追記]
で、結局後ろ髪を引かれ続けたプリンは、数週間の後に HH10 という禅純正ヘッドフォンハンガーとともに屋内専用プライマリーヘッドフォンとして、鎮座している。SN 的に不利な屋外では適度と思われる OE2i の低域も、室内においてはやはりプリンの解像感を伴ったそれと比較すると一歩譲るし、中高域の明瞭度に関しては AE2 をも上回る。加えて、長時間におよぶ使用では、その形状からくる装着感の差は大きい。ま、用途が違うとのでそのへんのところは致し方なし、なので OE2i は iPhone 専用ということで使い分けている。…余談である。


2012年01月某日 Hexagon/Okayama, Japan


 

2012年01月29日